指導を始めてからのFAQ
実践について
Q.指導を始めても、自分の自己実践は必要ですか?
とても必要です。エクササイズを自分の身体で感じて、何がどう変わるかを体感することなしに、クライアントさんをより良い状態に導くことは出来ません。毎日、あなたが実践することが良い指導者への近道です。
Q.苦手なエクササイズ、出来ないエクササイズがあります。
身体の特徴、体格によって誰にでも得意、不得意はあります。苦手だからといって避けずに、また苦手なものだけ練習することもおすすめしません。BASIのブロックシステムにのっとって練習することが大事です。Wholebodyヘルスへの達成には、全てを行うことが大事です。
Q.ハムストリング、股関節、腰が硬い私なのですが、フットワーク時もどる際膝周囲に疲労を感じます。骨盤は後傾しないよう意識しています。腰や臀部の力みもはじめに比べるとゆるんできていますがなかなか力みがとれません。何か意識すべきポイントなどありますでしょうか。
一つポイントを挙げるとしたら、尾骨を床に垂らす意識を持ってやってみて下さい。臀部や腰の力みが緩和されると思います。
Q.骨盤が安定ぜず、ニュートラルが分からなくなっています。私は背骨が少し右に湾曲していて、右のお尻の方が大きいです。実践時は左右の臀部を均等にマットに置くと骨盤の安定を感じます。でも誰かに見てもらう時は、ASISの位置を修正されることが多く、左右のASISを整えると左の臀部がマットから少し浮く感覚があります。そのままでもエクササイズ可能ですが、骨盤の不安定さが気になり無駄な力が入っているように思います。左右の臀部を均等にマットに置いた場合は、楽に動けるのですが上半身と下半身がバラバラに動いているように感じます。実践時もASISをそろえることを優先させた方がいいのでしょうか?あるいは骨盤は安定を感じるポジションで動いて、背骨をまっすぐ動かすように意識した方がいいのでしょうか?日々の実践の中で注意すべきところなど、アドバイスをいただけましたら嬉しいです。
右のお尻が大きいという事は、もちろん背骨の影響もあると思いますが、仙腸関節の左右に差はありませんか?
臀部の高さにどの程度差があるのか分かりませんが、教科書的な骨盤のニュートラルが全員に当てはまる訳ではありませんよね。すべての人が違いを持っています。わたしは、その方の骨盤が安定して、中間の位置にある所をその方のニュートラルポジションと捉えています。また、骨盤に左右差がある方や背骨に不均衡がある方には、ローリングがおススメです。もちろん、まっすぐ転がれないのですが、ローリングの動き自体が不均衡を修正してくれる動きです。実践してみて下さい。
Q.「坐骨をよせる」の感覚が分かりません。どういう意識ができると坐骨を寄せようとしていることになるのでしょうか。レッスン中にも自分で確信がないためうまく伝える事ができません。宜しくお願い致します。
座骨は感覚のみでなく、わずかですが実際に動きます。ご自分の座骨に手を当てて動きを確認してみて下さい。例えば、膝立ちから座るような動作をするときは、座骨は離れていきませんか?反対の動きをするときは寄ってきます。動きから感覚を身につけてみてはどうでしょう。
Q.「実践のなかで、筋肉の意識をすると体が緊張して動きづらい感じになってしまう時があります。「体を固めて動く」ということをどのように考えていますか?またはピラティスのなかで「体が緩んでいる」ことをどのようにお考えか教えてください。
筋肉よりも動作に集中することが非常に重要だと思います。動作をさせることよりも筋肉群を動員させて過ぎてしまうということはしばしば起きます。スタートポジションではどのマッスルフォーカスへ意識を向け、動き始めたら呼吸・動作・ポジショニングがそれを引き継ぐようにしてみてください。
ティーチングについて
Q.予定していたエクササイズが1時間の中でおさまりきりません。どうしたらよいでしょうか?
フットワークの指導に時間がかかりすぎていませんか?1回のセッションですべてを修正することはできません。アライメントを見るのか、呼吸をみるのか、リズミカルに動くのか、ポイントを絞ってすべてのブロックを1時間の中で行うようにしましょう。
Q.様々なレベルの人がクラスに来ます。どの人に併せてレッスンをしたらよいのかわかりません。
大変ですよね。ですがよくある事です。クラスのレベルはは、初めての方にあわせて行います。 的確にキューイングを出せれば、長年行っている人にも気づきやチャレンジングなクラスを提供できます。Levelは関係なく、基礎はどのようなレベルの人にも大事であり、気づきをもたらします。
Q.坐骨から背骨をまっすぐに立たせたい。そのために何をすればよいか、具体的な方法を教えてほしい。長座の時など、坐骨からまっすぐ立ちたいのに、どうしても骨盤が後傾気味になり屈曲気味になる。ピラティスレッスン中、また、日常生活で何をすれば改善されますか?
【クライアント情報】
元ダンサー 66歳。女性。
国内外でダンス指導をしており、現在も指導者として活躍。2年前に人工股関節を入れる手術をした。中臀筋を切った影響で、臀筋群が弱く、内旋NG。身体への意識は高く、ダンスを長年やっているなどの経験のもと、内観意識はあると自負がある。
私も最初仙骨をたてて座る事が難しかったです。そして、今もそうすることに、かなり努力をはらっています。すぐに結果を求めない事を、お話しして下さい。身体を動かす事をやっていた方は、目に見える結果をすぐに出したいと、望む癖がついています。変わっていく過程を楽しむというスタンスも、おもしろいですよね?。と少し、柔らかく接してみて下さい。具体的には、ピラティスのレッスン中だけでなく、日常でも、座骨をたてて座る事を意識してやってもらいましょう。身体の知識がある方は、ハムが固いから→ハムのストレッチをしたらいい。となりがちです。ここでも、直線的に考えるより、体全体で変わってく事を伝えて下さい。レッスンで、パットやマットで骨盤を高くして、しっかり座骨で座る感覚を覚えてもらう事もいいと思います。アグラはどうでしょうか。人工股関節という事で、制限が有る無しを確認して、どのような股関節の位置が良いのか聞きながら進めてみて下さい。
Q.側湾症にはクロスパターンの動きがいいと習いました。ブロックシステムを前提にその中でも特に回旋や、シングルなどをフォーカスしたほうがいいのかとは思いますがどのようなエクササイズを選択したらよいのか。
【クライアント情報】
重度の側湾症。服を着てる状態でもわかります。胸椎右側肩甲骨辺りから下がかなり盛り上がってます。腰椎は少し左に回旋入っていて左股関節はやや内旋してて伸展しずらいです。左足が基本的に使えてない感じがしますグループレッスンは受けずいつもリフォマ―グループレッスンのみ受けてます。これからプライベートレッスンも受講される予定です。
回答①
側湾症に関しても、他の●●症という方についても同様ですが、私達は「治療家」ではない、という点をもう一度自身で確認する事を私は大切に考えています。
その上で、側湾という特徴を観ていく視点があれば、ピラティスのどのエクササイズを選んでも効果が得られると思います。側湾の特徴として大きな点は、「左右差」だと思います。その点をクライアントさん自身がどのように感じているのかを、動いてみて教えて頂く事をしてみて下さい。そうする中で、インストラクタ―あなたが、そのクライアントさんと共により効果の得られるエクササイズを発見出来るようになると思います。
回答②
●側弯の種類
1.成長期に発症するもの
2.生まれつきの脊柱の異常
3.生活習慣、姿勢の変化による一時的なもの
多くは1に接すると思います。
胸郭の変形で呼吸は苦しく、動きは痛いのでそう感じなければグループでも良いのですが、プライベートレッスンで対話を十分に行うのが良いでしょう。私達と同じような感覚がなく、重心の落ちる場所も分からない。脊柱のサポートが失われているため、関節の動きを大きく、強く行おうとする傾向があるのでよく観察してください。
●呼吸
胸郭を十分に広げ、肋骨の可動を高める
●Foot Work
足裏から押す感覚もあまりないのでジャンプボードを使用。背部のどこで押しているか、どこで踏ん張ろうとしているか聞いて、その部分にクッションを入れ和らげ、足の動きを楽にしてあげる。代償がでない範囲で可動させ、徐々にフルへ。背部の接地面を水平に保てるよう凹みの方へクッションを入れる。
●回旋
一方向への可動は高く、また脊柱の部位で回旋の度合いが違うのでシンプルな回旋動作を細かく獲得していく。固有感覚を使ってもらうため、プロップを色々使ってみてください。基本ピラティスのエクササイズで大丈夫です。特殊な事や難しく思わず、ピラティスを信じてコミュニケーションを十分にとってください。
ワークショップ・カンファレンス開催情報
BASIピラティスでは、全世界で活躍するピラティスインストラクターを定期的に招待し、ワークショップを開催しています。また、BASIの講師だけではなく、他団体のトップ 講師やピラティス以外のボディワークの第一人者も招いたカンファレンスも開催しています。